共働き世帯が増える今、家づくりで最も重要視されているのが「家事導線」です。
実は、約60%の家庭が「間取り決めの最重要項目は家事導線」と答えています。
特に30〜40代の共働き夫婦にとっては、日々の家事をいかに効率化し、家族との時間を確保するかが現代の住まいにおける大きなテーマとなっています。
そんな暮らしにフィットするのが「回遊動線」です。
今回は、人気の回遊動線について、メリットと注意点をお伝えします。
回遊動線とは?メリットと注意点
回遊動線とは、家の中をぐるっと回れるように設計された動線のこと。
2方向以上から出入りできるため、行き止まりがなく、移動距離を短縮できます。
例として、キッチン⇄パントリー⇄洗面所⇄浴室がつながる設計では、料理をしながら洗濯・片付けを同時進行でき、まさに「家の中のショートカット」です。
メリット
- 料理・洗濯・片付けを同時進行しやすい
- 朝の身支度など、家族の動線が渋滞しにくい
- 視線が抜けて開放感が増す
注意点(よくある失敗)
- 通路が増え収納・居住面積が削られる
- 出入口や建具が増えコストが上がる
- 壁が少なく家具配置が難しくなる
- 来客動線と生活動線が重なりプライバシーに影響
家事効率が上がる!10種類の家事動線アイデア
1. キッチン⇄パントリー⇄ランドリー直結型
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メリット
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家事効率が大幅アップ:同時並行で家事ができ、移動の無駄を削減
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家族の動きがスムーズに:キッチンとランドリーが直結し、家族が動きやすい
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作業エリアが一箇所に集まる
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注意点
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収納不足のリスク:パントリーとランドリーが直結することで、収納スペースが圧迫される可能性も。
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湿気管理:ランドリーとパントリーが近いため、湿気や臭いがこもりやすい
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2. LDK中心の回遊型動線
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メリット
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動線がシンプルで使いやすい:キッチン、リビング、ダイニングをつなぐシンプルな回遊
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家族全員が動きやすい:食事の準備や片付け、子どもの遊びなどが効率的に
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注意点
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プライバシーの確保が難しい:LDK中心に家族全員の活動が一つに集約され、プライバシーの確保が難しくなる
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収納スペースの確保が難しい:空間の開放感を保つために壁を減らすと、収納スペースを確保するのが難しくなる場合がある
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3. 洗濯→干す→収納が一箇所で完結するランドリー+クローゼット型
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メリット
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洗濯から収納までの流れがスムーズ:洗濯→干す→収納が一つの場所で完結
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注意点
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換気が重要:洗濯物を干す場所と収納が近いため、湿気が篭りやすくカビや臭いの問題が発生する
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4. 玄関⇄パントリー直結で買い物後の片付けを時短
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メリット
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買い物後の片付けがスムーズ:玄関からパントリーに直結することで、食料品をすぐに片付けることができる
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注意点
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動線が複雑になる:出入りが頻繁に発生し、動線が混雑する可能性がある
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5. 玄関近くに手洗い・浴室を設置
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メリット
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帰宅後すぐに手洗い・入浴できる:外出や子どもの遊びから帰った後、すぐに手洗いやシャワーが可能で衛生的。
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来客時のプライバシー確保:手洗い・浴室が玄関側にあることで、リビングを通らずに利用でき、来客時もプライバシーが守られる。
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注意点
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収納や通路スペースの確保が必要:玄関付近に設備を置くため、通路や収納スペースが狭くなりがち。
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家族の動線が交差すると混雑する場合も:帰宅時と家事時の動線が重なると、混雑やストレスになる場合がある。
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6.回遊できるパントリー
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メリット
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家族の動線がとぎれない:壁がないので、行き止まりが無く動線が途切れない
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キッチン周りが常にすっきり:食品や日用品をパントリーに集約できるため、キッチンが散らかりにくくなる。
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注意点
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スペースの確保が必要:回遊動線にすると通路部分が増えるため、その分パントリーの収納スペースが減る場合がある。
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視線やプライバシーに注意:リビングや玄関とつながるので、パントリーの中が見えてしまう。
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7. 玄関ファミリークローク
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メリット
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帰宅後すぐに収納できる:コートや靴、カバン、ランドセルなどを玄関でまとめて片付けられるため、室内が散らからない。
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外出時と帰宅時の動線がスムーズに:外出時に動線上で支度ができ、子供の帰宅時もそのまま自分で片づけることができる
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注意点
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スペースの確保が必要:十分な収納容量を確保するには、玄関周りの床面積を広く取る必要があり、LDKや他の空間が狭くなる可能性も。
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換気・湿気対策が必要:靴やコートを収納する場合、湿気や臭いがこもらないよう換気や通気計画が必要。
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8. ワークスペースを組み込んだ回遊型
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メリット
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家事と仕事の両立がしやすい:家事動線の近くにワークスペースを配置することで、作業がスムーズに
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家族との距離が近い:仕事をしながら家族の声も聞こえるため、コミュニケーションがとりやすい
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注意点
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集中力の低下:家事や家族の活動とワークスペースが近いと、仕事に集中しにくくなることがある
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音や視線の問題:オープンな動線を採用すると、仕事中に家族の音や動きが気になる場合がある
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9. キッチンとダイニング横並び
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メリット
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配膳・片付けがスムーズに:キッチンからダイニングまでの距離が近く、料理の提供や後片付けが効率的。
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空間の一体感がある:キッチンとダイニングが横並びだと視線が抜けやすく、広く感じやすい。
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注意点
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作業スペースや収納が限られる場合がある:横並びにすることで、キッチンの奥行やカウンター幅に制約が出ることがある。
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通路が混雑しやすい:家族や来客が同時に移動すると、狭い横並びの通路が混雑することも。
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10. 家事動線を短距離で連結する設計
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メリット
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家事時間の大幅短縮: 移動距離が短いため、料理・洗濯・片付けなどを効率よく行える。
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同時進行の作業がしやすい:料理をしながら洗濯や掃除もスムーズに行え、忙しい共働き世帯にぴったり。
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注意点
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湿気や匂いの影響:キッチン・洗濯・浴室などは、湿気や匂いが集中する可能性がある。
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視線やプライバシーの問題:来客時や家族同士の動線が重なるので、プライバシーの確保が難しい。
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回遊動線のシーン別事例
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買い物帰り一直線フロー
重い荷物もラクラク。玄関からパントリー経由でキッチンへ繋がる効率的な動線。
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洗濯完結フロー
洗う、干す、畳む、しまう。洗濯の一連作業が一つの空間で完結する究極の時短動線。
自分に合った間取りタイプ診断
ステップ1: 重視する評価基準を選ぶ
自分が最も重要視する基準(効率性、収納力、プライバシー、将来性、コスト)に対して、1〜5のスケールで点数をつけます(1: 重視しない、5: 最も重視)。
ステップ2: 間取りタイプのスコアを確認
間取りタイプ(水回り集中・回遊型、2階水回り・LDK広々型、収納・クローク充実型)の点数を見て、自分が重視する基準と照らし合わせます。
ステップ3: グラフに当てはめてみる
自分の点数と間取りタイプの点数を見比べて各最も近い間取りタイプが自分に最適な間取りタイプです。簡単な診断方法で、効率的に自分にぴったりな間取りタイプを選べます。
土地選びから動線設計まで相談可能な e-デザイン空間へ
動線は敷地の影響も受けますので、希望する間取りや動線が、選んだ敷地と相性が悪いということがあります。
せっかく土地から購入して建物を建てるのであれば、希望する間取りと相性の良い土地を選びましょう。
e-デザインでは、土地探しから動線設計まで一貫対応可能。
なかなか図面や写真、動画だけでイメージすることは難しいので、実際の建物を自分たちが住むことを想定して見学し、自分たち家族に合う間取りかどうか、ご家族全員で話し合うのが、理想の間取りにたどり着く一番の方法です
理想の暮らしを叶える間取り、私たちと一緒に考えましょう。